2/3は節分ですね。豆まきをする家も多いかと思います。
子どもたちにとっては、楽しい豆まきの日でしょうか?それとも鬼が来る怖い日?
今回は、節分の由来や色々な鬼が出てくる絵本を5冊紹介していきます。
ぜひ、最後までご覧ください。
ちょとだけ自己紹介。
小学校で学校司書をしているアーサーです。
普段は学校図書館に来る子どもたちに色々な本をおすすめしています。
★学校司書ってなに?と思った方はこちらをお読みください。
『せつぶんだまめまきだ』
作 桜井信夫 絵 赤坂三好 出版社 教育画劇
まだ囲炉裏のある時代、おとうとおかあはイワシを焼いたり、まめをいったり節分の準備をしています。
今年は都で行われている豆まきを村でやろうと話がでました。
子どもたちにないしょで準備が進み、暗くなりいつもと違う様子に気付いた子どもたちもそわそわしています。
その時、暗やみの向こうから不気味な声が聞こえてきて家の中に鬼がやってきました。
節分にイワシや入り豆をなぜ準備するのか。
鬼をやっつけるとはどういうことか。
色々な願いが込められ行われる節分の由来を物語に織り込みながらお話がすすみます。
昔の豆まきの風習が今も受け継がれていることが分かりますよ。
ただ最後のページに「おにはそと ふくはうち」のかけ声の他に「ふくはうち おにもうち」のかけ声が出てきます。
読みきかせではここに違和感がある子どももいるので、「住んでいる場所によっては「 ふくはうち おにもうち」 と言うところもあるんだよ。」と説明しています。
大人の方でしたら、『しばわんこの和のこころ 3』に鬼の詳しい話がでてきますのであわせて読んでみてください。
こちらで紹介しています。
おすすめは、自分で読むなら2年生からです!
『こぶとりじいさま』
作 松井直 絵 赤羽末吉 出版社 福音館書店
むかしむかしのお話です。ひたいにこぶのあるおじいさんが山へ木を伐りに行きました。
日が暮れて帰れなくなったおじいさんは山のお堂で一晩過ごすことになりましたが
夜になると鬼がぞろぞろやってきて、お堂の周りを囲み歌い踊り始めたのです。
最初は怖がっていたおじいさんでしたが、だんだんおもしろくなり鬼たちといっしょに歌ったり踊ったり。
喜んだ鬼たちは、明日も来いと言いおじいさんのこぶを預かりました。
こぶがなくなったおじいさんを隣のおじいさんがうらやましがり真似したところ…。
昔話の「こぶじいさま」は色々ありますが、私はこの絵本が1番好きです。
赤羽さんの昔、本当に鬼がいたんだなと思わせる絵で怖いイメージ鬼そのものが描かれています。
といっても、このお話では鬼たちは人間に悪さをしたり食べたりはしませんよね。
おじいさんが泊まることになったお堂の周りを歌って踊ってなんだか鬼たち楽しそう。
なによりも歌っている歌が、変な歌詞なのにリズム感よく口ずさめるところがよいです。
この歌のおかげで怖いはずの鬼の場面がなんだか楽しそうと感じます。
怖さと楽しさが共同していてまた読みたくなる絵本です。
歌の部分ですが、私は子どもの時にこの絵本の読みきかせを聞いて歌のメロディーがわかるのですが、知らない方も自分の歌いやすい節回しでぜひ歌ってみてください。
読みきかせにでてくる歌の部分は、適当でも歌った方が聞いている子どもたちも楽しんで聞いてくれますよ。
おすすめは1年生から!
『まゆとおに やまんばのむすめまゆのおはなし』
作 富安陽子 絵 降矢なな 出版社 福音館書店
山姥の娘まゆが雑木林で出会ったのは角をはやした鬼。
でもまゆは鬼を知りません。一方の鬼はまゆを食べようと自分のすみかへ誘いました。
鬼はまゆを煮て食べようと鍋の準備を始めます。
何も知らないまゆは鬼のお手伝い。木を引き抜いたり大きな石を持ち上げたり…。
「なんてすごい娘っ子だ」と思いながらもお湯が沸き、もうちょっとで食べられると鬼はにんまり。
しかしまゆは、鬼にとんでもないことをしたのです。
かわいい顔をしたまゆは人間ではなく山姥の子、とても力持ちなのです。
でも鬼を知らないために鬼についていってしまいます。
一方の鬼はまゆを普通の人間だと思い食べるために自分のすみかに誘います。
ところが食べるために鍋に湯をわかす準備をまゆが手伝ってくれるのですがとてつもない力を発揮し鬼を驚かせます。
この何も知らない天真爛漫のまゆと山姥の子のだと知らずに接している鬼のやりとりがとても楽しい絵本です。
お湯が沸いた後は、まゆの礼儀正しさのおかげ(笑)で鬼がとんでもないことになりますが、その時のやりとりや鬼の表情で子どもたちは爆笑しますよ!
おすすめは1年生から!
★こちらのまゆはシリーズになっているので、他の絵本も読んでみてください。
『オニのサラリーマン』
作 富安陽子 絵 大島妙子 出版社 福音館書店
角をはやして金棒を持つ赤鬼。でも着ているものはスーツ。
彼の名前はオニガワラ ケン。奥さんと子どもがいる鬼のサラリーマンです。
今日も愛妻弁当を持ち、バスに乗って地獄に出勤です。
恐ろしい地獄も鬼たちから見ると平凡な日常。そんな鬼たちのユーモラスある生活が書かれています。
人間のサラリーマンの様に働く姿、関西弁を話す赤鬼。
あの恐ろしいと思っていた地獄が実は会社だったなんて(笑)
人間社会も大変だけれど、地獄で生活をしている鬼たちもお仕事が大変なんだそうで。
読んでいるとつっこみどころ満載です。
これを読む前に地獄の復習として『じごくのそうべい』を読んでおくともっと笑えますし
オニガワラさんが血の池じごくに勤務中に「蜘蛛の糸」事件がおこるので『蜘蛛の糸』も読むと
さらに楽しめますよ!
文章が多いのでおすすめは、2年生から!
1年生でも本好きなら読めますよ。
ひとりで読むなら2年生以上がおすすめです!
漢字にフリガナがふっていないので高学年向きです。
低学年は読みきかせがいいですよ。
『おにのサラリーマン』は続編が次々出てますので、この後もおすすめです。
『ゼラルダと人喰い鬼』
作・絵 トミー・ウンゲラー 訳 田村 隆一 麻生 九美 出版社 評論社
子どもを食べるのが大好きな人喰い鬼。村では食べられないように子どもたちを隠します。
主人公のゼラルダは森で暮らしているため人喰い鬼のことは全く知りません。
ある日、父親の代わりに市場に行く途中、待ち伏せしていた人喰い鬼と出会うのですが腹ペコの人喰い鬼は倒れてしまいます。
料理をするのが得意なゼラルダは、市場へ売りに行く材料を使って人喰い鬼にご飯をつくってあげました。
大好物の子どもよりもおいしいご飯を食べた人喰い鬼は、ゼラルダが気に入り自分のお城で料理を作って欲しいと頼んだのです。
外国にも鬼がいる?!
でも日本の鬼と違って角はありません。見た目は人間と同じです。
だけれど、朝ごはんに人間の子どもを食べるのがなにより大好き!
この恐怖感は『鬼滅の刃』を感じさせる?
残酷な鬼だと大抵のお話では鬼退治をしてやっつけるものが多いですが、こちらの主人公ゼラルダは鬼だと知らずに接して…。
なんと、料理の腕前で魅了してしまうんです(笑)
料理好きのゼラルダが作る料理は、独創的かつ美味しそうで食べてみたくなります♪
特に気になったのは人喰い鬼のお城でつくった「七面鳥の丸焼きシンデレラ風」という料理(笑)
料理の場面では、必ず絵の中にメニューがあるので料理と照らし合わせながら見ていくと楽しいですよ。
最後は驚きの結末になりますので、そこは読んでのお楽しみ!
おすすめは1年生から!
終わりに
いかがでしたか?
今回、紹介したのはこの5冊!
・『せつぶんだまめまきだ』
・『こぶじいさま』
・『まゆとおに』
・『オニのサラリーマン』
・『ゼラルダと人喰い鬼』
ぜひ、節分・鬼の本を読み比べて楽しんでくださいね。
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