授業参観というと教室で見ることが多く、図書室での参観はほとんどありませんよね。
図書室は休み時間に利用する場所と考えている人も多いと思います。
実は学校司書のいる学校では、休み時間だけでなく授業で利用することが多いです。
体育で校庭や体育館を使う時間があるように図書室も週に1回、割り当ての時間があり読書や調べ学習をしています。
今回は、授業参観でなかなか見ることのできない図書室を使った授業を紹介していきます。
★この後から「図書室」ではなく、正式名称の「学校図書館」で記事を書いていきます。
ぜひ最後までご覧ください♪
ちょとだけ自己紹介。
小学校で学校司書をしているアーサーです。
普段は学校図書館に来る子どもたちに色々な本をおすすめしています。
★学校司書ってなに?と思った方はこちらをお読みください。
読書がメインの授業の場合
図書の時間の流れ
実際にこんな流れで45分、国語の授業をしています。
①あいさつ
②借りた本の記録を書く 4~5分(書く時間の目安としてオルゴールCDを流す)
③読みきかせ、朗読、本の紹介 10分~13分くらい
④本の返却、片付け、本を借りる 10分~13分(選ぶ時間の終了の合図としてオルゴールCDを流す)
⑤静かに自席で読書 10分~20分
⑥本や机の上の片づけをして、あいさつ
★これは全国の学校司書さん全員が同じというわけではなく、アーサーの場合です。
授業で読書するだけなら時間が
決まってなくてもいいんじゃない?
確かに上の「図書の時間の流れ」では、時間が決まっているのできっちりして窮屈だと感じるかもしれません。
でも流れが決まっていることで、子どもたちは見通しをもって動くことができます。
この時間が決まってない状態で「読書をしましょう!」と言うとどうなるかというと
読む本が選べずにずっとうろうろしてしまう子がでてきて、読書をしないで終わってしまいます。
時間が決まっていると時間の中で読む本を選ぼうとするので、うろうろして選べない子が減ります。
もし時間内で選べない場合は、学校司書の方から今回読む本を渡しています。
さらに、アーサーの場合はこの時間に読めない本も4月のオリエンテーションで子どもたちに伝えています。
事典、辞典、図鑑、漫画、調べる本、遊びの本、4年生以上は「かいけつゾロリ」
これらの本を授業中は読めないので、借りるか休み時間に読みに来てねと言い授業と休み時間の区別をつけています。
この時間を毎週、積み重ねていくことで読書習慣を身につけていきます。
読みきかせ、朗読、本の紹介 の役割
低学年には絵本の読みきかせ、中学年以上には長い本の朗読を必ずしています。
読みきかせや朗読は、自分でする読書とは違う楽しさがあります。
読みきかせ・朗読を聴いておもしろいと感じた本を今度は自分で読んでみようと読むきっかけになります。
これは本好きな子だけでなく、自分で読むのは苦手だけど聴くのは好きという子も読みきかせが終わった後に自分で読んでみたいなと手を伸ばしてくれるようになります。
ですから、読みきかせ、朗読は1年生から6年生まで行っています。
本の紹介もそれぞれの学年に合わせた本を2~3冊紹介しています。
本は棚に並んでいるだけでは、なかなか手に取られません。
そもそも、並んでいる本が自分に読める本なのかは本好きな子は自分で判断できますが本好きじゃない子は難しいです。
紹介する本はその学年の子が読める字の大きさ、ページ数を学校司書が考えて選び、あらすじや読んで欲しい場面をピックアップして話をします。
ですから、本の紹介をしていくことはそれぞれの学年で読める本の世界を広げていき、ステップアップをしているのです。
調べ学習がメインの授業の場合
調べ学習の時間の流れ
調べ学習の場合はきっちりとした時間の流れがありません。
調べ学習は毎週あるわけではないので、まず事前に教室でどんなことを調べるのか確認をします。
その後に、学校図書館で自分に必要な本を探します。
この自分の探したい本が見つからないときや本の中から調べたいことが見つからないときに、学校司書は探すお手伝いをします。
また教室だけで調べることもあるので、その時はどんなことを調べるのか事前に担任の先生から聞いてから本を集めて渡します。
調べるのは本とインターネットどちらがいいのか
今ってタブレットがあるから、インターネットで
調べてるんじゃないの?
本って必要?
現在では一人一台タブレットがあるので、本で調べなくてもいいんじゃないのかと思うかもしれません。
そんなことありません。これからは、本もインターネットもどちらも必要です。
なぜなら、本もインターネットもメリットとデメリットがあるからです。
〇小学生向けの言葉で書かれている
〇正しい情報で書かれている
×マニアックな情報は見つけにくい
×探すのに時間がかかる
〇マニアックな情報ものっている
〇探す時間が短い
×大人向けの情報だと難しい
×正しい情報かどうかわからない
小学生では、早く情報を見つけることより正しい情報を見つけることが大切です。
いきなりインターネットで探すのでは、正しいかどうかの判断がつきません。
そのために本を使って、正しい情報を見つける経験値を増やしていきます。
本から探すことができるようになったら、足りない情報をインターネットで補うことができます。
なので、調べ学習は本から調べることを始めます。
情報活用を身につける授業
実は「読書」「調べ学習」の他にもう1つ「情報活用」を伝える授業があります。
学校図書館って読書したり調べたりするだけじゃないの?
「情報活用」ってなに?
「情報活用」ってなんとなくパソコンやタブレットの言葉じゃないのって思いますよね。
でも「情報」って本からも得られるものです。
ですから「情報活用」では、「本の探し方」「本の使い方」なども授業で伝えていきます。
例えば、「本の探し方」では学校図書館の本の並び方を伝えます。
そうすることで、自分の探したい本はどこの棚にあるかが分かります。
「本の使い方」では図鑑や百科事典、年鑑の使い方を伝えます。
図鑑や百科事典の使い方なんて、なんとなく分かるんじゃないの?と思うかもしれませんが
全員に伝えることで調べ学習で調べられずに困る子たちがいなくなります。
「なんとなく知っている」ではなく「全員が本を使って調べられる」ほうがいいですよね!
「情報活用」も1年生から1つずつ積み上げていく授業になります。
まとめ
今回は学校司書のいる小学校での「学校図書館を使った授業」を紹介しました!
・読書がメインの場合、時間を決めて読みきかせや読む時間をつくり読書習慣を身につけている。
・調べ学習がメインの場合、本で調べることを土台にしインターネットも使って情報を補っている。
・情報活用の授業では、「本の探し方」「本の使い方」を伝えている。
今回の方法は小学校の授業だけでなく、家でもポイントを押さえるとできます。
・夜寝る前に10分など、毎日できる時間を決めて読書を続けてみてください。
・親子読書だとさらによいです。
・「情報活用」は、国語、理科、社会の教科書をチェックしてみてください。学年に合わせた「本の使い方」などが載っています。
ぜひ試してみてくださいね。
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