2/3は節分です。春分を迎える前日ですね。
日本の伝統行事の1つですが、節分のルーツや鬼はいつからいるかということを考えたことがありますか?
今人気の『鬼滅の刃』にも恐ろしい鬼たちがたくさんでてきますよね。
今回は、節分の詳しい話や鬼がいつから存在していたのかが知れる本や鬼が出てくる本を5冊紹介していきます。
ぜひ最後までご覧ください。
ちょとだけ自己紹介。
小学校で学校司書をしているアーサーです。
普段は学校図書館に来る子どもたちに色々な本をおすすめしています。
★学校司書ってなに?と思った方はこちらをお読みください。
『しばわんこ和のこころ3-日々の楽しみー』
作・絵 川浦良枝 出版社 白泉社
日本ならではの「和」をたしなむ、しばわんこと一緒に住むみけにゃんこ。
ご近所さんも集まって四季の行事を過ごしていきます。
3巻では端午の節句から始まり、お彼岸、お盆、昔遊び、十二支、節分、文様が豆知識も豊富に紹介されています。
しばわんこを主人公に物語がすすみます。
物語の間に書いてある豆知識が2~3つあり大人でも知らないことがたくさん書かれていますよ。
なによりも絵がかわいい!
節分のページでは、節分の意味やルーツ、鬼を追い払う方法(実は豆まき以外にも追い払う方法があるのです。)
そして、地方によっては鬼は追い出すものではなくもてなされる鬼もいます。
鬼ってどんな存在で受け継がれてきたのでしょう…。
家族で読んでただの豆まきだけでなく、意味のある伝統行事として節分をやってみてはいかがですか?
おすすめは、4年生から大人まで!
『アヤカシ薬局閉店セール』
作 伊藤充子 絵 いずのかじ 出版社 偕成社
さくらさんがやっている「アカシヤ薬局」は近くに大きなドラッグストアができていらお客さんが全然来なくなってしまいました。
せっかく古道具屋でまねきねこのフクノ助も買ったというのに。
とうとう閉店セールをしてお店をしめることに決めたさくらさん、ポスターを書いて貼っていたら
「それだけじゃあ、お客さん来ませんよ!」とフクノ助がしゃべって動き出したのです。
たくさん宣伝しようとフクノ助が手伝いちらしを作ったところ、外に出たとたん風にさらわれてしまいました。
ところが次の日からお客さんが来るようになったのです。でも人間ではありません。アヤカシ(妖怪)ばかりが来ることに…。
古道具屋から買った招き猫のフクノ助が突如動き出すあたりから怪しさ満点です。
ただ売っているものは普通の薬局で売っているもの、買いに来るお客さんがフクノ助のお手伝いにより人間ではなくアヤカシたちが来るようになってしまいました。
さくらさんの薬局の閉店セールは2月4日から。
ということで最初のお客さんは、深夜0時にやってきた青オニだったのです。
オニが買っていったのはシップでした。いったに何に使うのでしょう?
それだけではありません。オニは大きな袋をかついでいます。中の物はずいぶん重そう。
思わずフクノ助が中身を聞くと「さらってきた子どもが入っている!」と言い、食べ方まで嬉しそうに話してくれました。
関わりたくないさくらさんとフクノ助ですが、オニが帰った後にお金が足りないことに気付きケチなさくらんさんは追いかけました。
外に出ると豆が落ちています。もしや袋の中の子どもたちが知らせているのかも…。
オニの家まで追いかけた2人は意外な光景を見ます。
この本に出てくるアヤカシたちは、どれも怖いというよりもかわいいアヤカシです。
青オニも怖いというより読んでいくと「お疲れ様です!」と声をかけたくなる仕事熱心なオニです。
同じ2月の話でバレンタインにもアヤカシがやってきますので、そちらも読んでみてくださいね♪
おすすめは、4年生から
『鬼が出た』
作 大西廣 絵 梶山俊夫ほか 出版社 福音館書店
鬼とは、いったいどんなものでしょう?
怖い存在?自分の中の悪いものが鬼であるという考え方もありますね。
日本に伝わる絵や彫刻、お話の中から鬼とはどんなものなのか、あれこれ研究している知識絵本です。
日本人の歴史からひもといて、鬼について詳しく子ども向けに分かりやすく書かれた本はなかなかありません。
怖い存在である鬼だけでなく、自分たちも鬼になったことがあるという説明や神様として扱われる鬼もいることに驚きますが、これは絵を見ると納得できます。
実は人間と切っては切り離せない鬼たち。
この本のおもしろいところは、鬼がよくあらわれる場所を教えてくれたり、鬼の作り方(大切なポイント2つがあることで鬼になります)があったり、鬼の世界地図なんかものっていたりします。
奥が深い鬼の世界をぜひ堪能してください!
おすすめは4年生以上!
大人も楽しめますよ。
『酒天童子』
作 竹下文子 絵 平沢下戸 出版社 偕成社
「鬼の腕」「土蜘蛛」「鬼同丸」「酒呑童子」「狐を射る」
それぞれバラバラになっていた古典のお話を作者が1つにまとめ読みやすく書かれています。
平安時代の京の都。
源頼光とその部下の四天王が都を脅かす鬼などのもののけ達を退治します。
四天王とは今でいうヒーロー戦士のような存在、彼らの活躍っぷりはとてもかっこいいです♪
その中には坂田公時、あの金太郎も出てくるので出てきた時はおぉ!と嬉しくなります。
鬼の話はいくつかありますが、題名にもなっている「酒呑童子」
残虐非道な酒天童子の生い立ちには同情してしまいました…。
元は古典ですが、作者の竹下さんが現代語に書き直していて、昔の言葉も同ページ内に説明がのっています。
テンポよく進み、お話が分かれているところも読みやすいです。
なにより絵がかっこいいので、この本は歴史好きだけでなく歴史に興味ない男子にも人気の本ですよ!
おすすめは、5年生以上!
特に男子におすすめです。
『鬼の橋』
作 伊藤游 絵 太田大八 出版社 福音館書店
平安時代の京の都、そこで暮らす貴族の息子である篁(たかむら)は妹を亡くしたばかりだった。
妹が亡くなった井戸で物思いにふけっていると井戸の底に吸い込まれてしまった。
気がつくと石ころだらけの河原に立ってているが、あたりは静寂ばかり生き物の気配はどこにもない。きっとあの世であろう。
運よく篁は3年前に亡くなった坂上田村麻呂に助けられ、元の世界に戻ってこられた。
しかし、篁が戻ってきたことによりあの世との路(みち)ができ鬼も現世に現れたのだった。
平安時代の実在の人物である小野篁を主人公にしたファンタジーです。
平安時代の京の都はあの世とつながっている場所があるとか、怪しい話もこの時代なら本当と思えます。
井戸と冥界が繋がり路ができ、そこから鬼が出てきてしまう。
でもお話の中では鬼としての力を半分を無くした鬼が現れ、親を亡くした阿子那(あこな)という少女と暮らし始めます。
鬼の本性は人間を食べること、それと戦いながらも 阿子那と暮らしていくため人間に少しづつなっていく姿にほろりとしました。
篁の成長物語ですが、鬼から人間に変わっていくところが私のおすすめです。
おすすめは6年生以上!
ちょっと難しいけど読みごたえがあるよ。
終わりに
いかがでしたか?
今回、紹介したのはこの5冊!
・『しばわんこ和のこころ 3』
・『アヤカシ薬局閉店セール』
・『鬼が出た』
・『酒天童子』
・『鬼の橋』
ぜひ、鬼の本を読み比べして鬼を研究してみましょう!
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